個人事業主の方で、車を所有しているケースは多いと思います。
打ち合わせや営業・納品や配達など、車が必須であるお仕事も多いですよね。
当然何年か使用すると、車を買い替えることになります。
今回は「個人事業主の車の買い替え」について考えてみました。
この記事でわかること
車に関するお金は、どこまで税金で落とせるのか
車の購入について
仕事用の車を購入したから、この決算で全額税金で落とそう！ということはできません。
だって購入した年だけではなく、翌年もその次の年も使いますから。
パソコンや自動車などには「耐用年数」というものがあって、その年数をかけて「減価償却」を行います。
新車の場合、普通車は6年・軽自動車は4年です。
| 構造 | 耐用年数（年） |
|---|---|
| 普通自動車 | 6 |
| 小型車（総排気量0.66L以下） | 4 |
| 二輪又は三輪車 | 3 |
| 自転車 | 2 |
| 貨物自動車（ダンプ式） | 4 |
| 貨物自動車（その他） | 5 |
| 通信報道用 | 5 |
| フォークリフト | 4 |
余談ですが仕事用でよく使われているTOYOTAのハイエースは、3・5ナンバーは6年、貨物自動車登録している1・4ナンバー5年となります。
減価償却には、
・毎年同じ金額を経費として処理する「定額法」
・購入初年度に大きな金額を経費計上し、翌年以降すこしずつ経費になる金額が減っていく「定率法」
の2つがあります。
基本的には個人事業主の場合、定額法を使いますが事前に税務署に届け出して認められれば定率法も可能です。
例えば180万円の新車を購入した場合は、定額法でいくと毎年30万円を経費として計上できます。
全てが経費で落とせるわけではない
車を購入すると、購入後もいろいろな費用がかかります。いわゆる「維持費」です。
仕事で使用しているのであれば、当然税経費で落とすことは可能です。
経費計上できるもの
・車の購入時にかかる自動車取得税
・車検時にかかる自動車重量税
・毎年4月にかかる自動車税
・自賠責保険、任意保険などの自動車保険
・車検代
・ガソリン代、高速代
・駐車場代
などです。
ただし、すべてが経費で計上で来るとは限りません。
仕事とプライバートで別々の車を所有している場合は全額経費にできますが、1台の車を仕事とプライベートで使用しているケースは「仕事で使った分だけ」経費にできます。
でもガソリン代などは、プライベートと仕事を明確に分けることは難しいですよね。
そんな場合は、一定の割合を決めて計上することになります。この割合は法律での定めはありませんので、税理士さんに聞いてみるとよいでしょう。
車の買い替えで、利益がでた場合は？
車を売却して利益がでた場合、その利益に対して所得税や住民税がかかります。
例えば、新車価格210万円のTOYOTAのアクアを4年乗って買い替えるケース
先程の定額法で償却すると、
210万円÷6年＝35万円（1年あたりの経費金額）
35万円×4年＝140万円（今までに経費にしてきた金額）
210万円－140万円＝70万円（今の車の価値）
このアクアが120万円で売れたとすると、
120万円（売却金額）－70万円（今の車の価値）＝50万円（利益）
この50万円が所得税と住民税の対象となります。この利益に直接かかるわけではなく、事業所得など他の所得と合計した数字に所得税や住民税がかかります。
ただし、資産の売却には「特別控除」という制度が適用できます。
金額は50万円です。
従って、先程のアクアの売却には税金はかかりません。
税金対策として車を買い替えるには
個人事業主の方が税金対策として車を買い替えるケースは少ないかもしれませんが、知っておいて損はないと思いますので、ここはサラッと読んでください。
先にも書きましたが、普通自動車の耐用年数は6年ですので、4年落ちの中古の普通自動車の場合は、耐用年数が2年になります。
4年落ちの中古車の耐用年数は、
(6年 － 4年) + (4年 × 20%) = 2.8年
1年未満の端数は切り捨てるので2年になります
耐用年数2年の定率法の償却率は100%、つまり1年で全額経費にできるのです。
4年落ちのベンツを買う社長が多いのは、ほぼこれが理由です。ベンツなら4年落ちでも全く問題なく乗れますから。
車の買い替えには他にも重要なポイントがある
個人事業主の方なら車の買い替えに際して、税金についてはとても気になるところだとお思います。
でも、他にも重要な事があります。
それは、手放す車の査定価格です。
車の査定価格は、「どこのお店にもっていっても同じ金額」ということは、まずありません。
車種によっては、平気で20万円以上の差が出てしまいます。
その理由は、それぞれのお店の「欲しい車」が異なるためです。
・軽自動車専門店
・１BOXカー専門店
・古い車を海外に輸出するお店
など、それぞれに特徴があります。
ですので、車の査定は1社だけで決めてしまうのは非常にもったいないです。
複数のお店から見積もりを取って、その中で1番高いお店に売るべきです。でも何店舗も回るのも大変ですし、時間もありませんよね。
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