新車であれば「標準価格」があって、そこからの値引きやサービス品で購入するお店を決めることができます。
一方、下取りや買取で車を手放す場合には「定価」はありません。中古車は1台1台状態が異なりますので、ある意味当然と言えます。
そのため、持ち込むお店によって査定金額はバラバラです。
では一体、業者は何を基準に車を査定しているのでしょうか。知っておいて損は無いですよね。
今回は「車の査定額はどうやって決まるのか？」についてのお話です。
この記事でわかること
査定には一定の「モノサシ」がある
中古車はどれも状態が異なりますので、ある一定の標準基準（モノサシ）を設定して評価しています。
それは、
1.内装・外装は無傷であること
2.エンジン・足回りは走行に支障なく良好であること
3.車検の残り月数は3ヶ月以内であること
4.走行距離（キロ数）は標準であること
5.タイヤの残り溝は1.6mm以上であること
6.自己修復歴や改造工作がなく損傷減価要因（腐食・臭い）等がないこと
となっています。日本自動車査定協会のページより
日本自動車査定協会（JAAI）とは、一般財団法人日本自動車査定協会が経済産業省と、国土交通省の指導のもとに設立され、「中古自動車査定制度」を運用しています。
査定士についても、査定士技能検定試験や研修制度を行っています。
査定価格算の流れ
ベースとなるのは「査定基準価格」
まずは、上記の日本自動車査定協会が制定した「査定基準価格（査定協会が支所ごとに市場実績として毎月設定」が基準となります。
標準的な整備（外装やエンジン回り足回りなどの機能が十分整備されている）が行われている状態を前提にしています。
業者ごとの「基本価格」が決まる
先程の「査定基準価格」をもとに、各業者は独自の基本価格を設定します。
ここに、査定を行う業者の想定する
標準整備費：エンジン、足回り、電装などの整備にかかる平均的な費用
標準諸掛：業者の標準的な利益。査定から販売までにかかる日数による評価損
特別調整：在庫状況、部品の価格、自社の販売力などを考慮して設定される調整額
が加味され業者の基本価格が決まります。これは業者が査定の時に基本とする価格です。
実際に車両を見て「加減点」を行う
そこに、実車の状況を目視して、加減点を行います。
加減点の基準はさっくり表現すると、以下のようになります。
| 査定項目別の加点・減点の適用区分 | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 車両本体 | 装備品 | 商品価値 | ||||||||
| 外装 内装 |
電装 | エンジン 足回り |
タイヤ | 走行 キロ |
車検残 | 自賠責残 | 修復歴等 | その他 | ||
| 加点 | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ||
| 加減点 なし |
標準状態（基本価格） | |||||||||
| 減点 | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ||
いずれの項目にも細かな加点・減点はありますが、標準よりも「良い」状態は加点され、悪い状態は「減点」されます。
例えば、平均的な年間の走行距離は約1万キロとされていますので、それ以上の走行距離は減点されます。
ただ、一概に走行距離が短ければ良い、ということではありません。
例えば、5年落ちの車なのに走行距離が5千キロという車両は、「ほとんどエンジンをかけていない車」と言えます。
車はエンジンをかけずに長期間放置すると、状態はかなり悪いと判断できます。
査定するお店によって査定額が異なる理由
ここまでお伝えしましたように、車の査定には一定の基準があります。
にもかかわらず、車種によっては30万円以上の査定額の差が出るのは一体どういう理由なのでしょうか。
お店によって「欲しい車」が違うから
ディーラーは新車を売ることが本業ですので、下取りした車に対しての販売力はありません。（というか出来れば引き取りたくない）
ですので、できるだけ安く引き取って労力をかけずに販売したいと思っています。
一方、車買取専門店は車の買い取りは「仕入れ」そのものです。
仕入れがないと商売にはなりません。
自社が「欲しい！」と思った車は、他と査定額で競ってでも買い取ります。
自社が欲しいと思う車は、自社が得意とする車です。得意とする車種は当然販売力が高いからです。
例えば、軽自動車専門店・スポーツー専門店・外車専門店・4駆専門店など、買い取り業者には得意とする分野があります。
また、海外に輸出を中心としている業者もあります。
海外では、日本の価値観（車の寿命は10年10万キロなど）は全く関係ありませんので、日本では査定がのつかないような車でも、積極的に買い取りを行う業者もいます。
愛車を高く売るには
このように、車の査定金額は業者によってマチマチです。大切に乗ってきた愛車は、できるだけ高く売りたいですよね。
愛車を高く売るには、あなたの車を「欲しい！」と思ってくれるお店を見つけることです。
では、どうすればそのようなお店を探せるのでしょうか？
片っ端からお店を回って、見積もりをとるのも大変です。そんなことをしていたら、時間がいくらあっても足りません。
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