最近、TVのコマーシャルやネットの広告でよく耳にする「残クレ」。
「月々の支払いを安くして新車に乗れる!」というキャッチフレーズで、とても魅力的に聞こえますね。
1.8%~などの低金利をうり言葉にして、積極的に広告を展開しています。
でも簡単に飛びつくのは危険です。メリットがあれば当然デメリットもあります。
今回は「残クレ」についてのお話です。
この記事でわかること
残クレとは?
正式には「残価設定型クレジット」の事です。これは、新車を購入する際のローンの組み方の一つです。
3年から5年後の下取り査定価格(残価)を、車両価格から予め差し引いた金額を分割で支払う購入方法です。
画像引用:TOYOTA公式ホームページ
例えば、車両価格が250万円のアクアを3年の残クレで購入した場合、3年後の残価設定が100万円だとすると、250万円-100万円=150万円を分割で3年間支払います。
支払期間が満了すると、
・新車に乗り換え
・車を返却
・買い取る
のいずれかを選択することになります。
これだけ聞くと、なんだかお買い得な気もしますが少し待ってください。
残クレのメリット・デメリットについて詳しく見てゆきましょう。
残価設定ローン(残クレ)のメリット
月々の支払額を抑えて新車に乗ることができる
先程のアクアを通常の自動車ローンで購入した場合、250万円を3年(36回)で支払うので、毎月の支払いは69,444円です。
残クレであれば、41,666円となり、かなりの差が出ます。
※金利は計算に入れていません。実際にはそれぞれの金利が加わります。
まとまった頭金が必要ない
金利の安い銀行系のカーローンを組むときには、一般的には20%以上の頭金が必要とされています。
残クレであれば、頭金ナシでも購入が可能です。(当然審査はあります)
3年後にまた新車に乗り換えられる
支払い期間が終了すると、「新車に乗りかる」という選択肢があります。
新車で3年というと、車検のことを気にする必要もありません。
3年ごとに新車に乗り換えることは、なかなかできませんので、車好きには大きなメリットと言えるでしょう。
残価が設定されている
車の価値は、悲しい話ですが「毎日」下がってゆきます。
3年後、5年後の愛車の価値は想像以上に下がっている可能性もあります。
残クレであれば、支払期間終了時の残価をあらかじめ設定しますので、予想外の下落ということはありません。
金利が安い
残クレが出始めたころは金利も結構高く設定されていましたが、1.9%(設定車両のみ)というものもあります。
ディーラーで自動車ローンを組む場合は、金利は5%~10%と幅はありますが、1%代というのは、ほぼありません。
銀行系のカーローンでも低くて2%代ですので、残クレの金利はかなり低めであるといえます。
残価設定ローン(残クレ)のデメリット
ここまでメリットをお伝えしてきましたが、当然デメリットもあります。
支払う金利の総額は結構高い
残クレは、残価を差し引いた金額を分割で支払うことはお伝えした通りですが、月々の月々の金利は、残価を含めた車両価格全体に対してかかっています。
先程のアクアの例ですと、残価を差し引いた150万円ではなく、車両価格の250万円に対する金利です。
ということは設定金利が低くても、車両価格全体の金額に対しての金を利負担することになります。
これこそ、残クレのメリットの「落とし穴」なのです。
乗り続けるには精算か再クレジット
支払期間終了後も乗り続ける場合は、支払い最終回に残価を一括で支払うか、再クレジットを組むことになります。
一括での支払いは結構キツイですし、再クレジットを組むとなると、利息を2重に払うことになります。
しかも、新たに組むクレジットは金利の設定は通常残クレの金利よりも低くはありません。
5%以上になるケースがほとんどです。
乗り続ける場合の支払総額は、通常のカーローンよりも高くなる可能性が極めて高いです。
既定の走行距離を超えると追加金額が発生する
各自動車メーカーによって制限の走行距離にはバラツキがありますが、毎日50km以上通勤で車を使うような用途には、残クレは向いていません。
せっかく新車で車を購入したのに、日々走行距離を気にして運転しなければならないのは、大きなデメリットと言えるでしょう。
事故による修復歴やキズに対しても負担金が発生する
走行距離とは別に、事故歴や車両についたキズも車の価値を下げる要因です。
各メーカーが定めた基準を超える減点は、負担金が発生します。
好きに車をいじれない
車が好きな人は、色々と自分の好みで車をいじりたくなります。タイヤやホイール、フェンダー等ドレスアップも楽しみの一つです。
でも残クレで購入した車は、ドレスアップしても返却時には元の状態に戻さなくてはなりません。
残クレに向いている人
ここまでメリット・デメリットについて述べてきましたが、個人的には残クレは「?」と考えています。
理由は、総支払額が結局高くなることと、走行距離は年間2万キロ近く走るから、ということです。
でも残クレは、
・手持ちの現金が無いけど、どうしても新車が欲しい
・毎月ローンを払いながらでも、3年ごとに新しい車に乗替えたい
といった方には向いていると思います。
車の買い替えなら、重要なことがある!
車の買い替えをお考えであれば、残クレなど購入方法も重要ですが、他にも重要な事があります。
それは、愛車の査定価格です。
車の査定はどこで受けても、金額は同じではありません。
同じ車でも、お店によって20万円以上の差がつくことはザラにあります。
査定金額は、査定を行う側の一方的な「言い値」です。
そして、「ユーザーが愛車の本当の価値を知らない」、ことをわかっています。
本来相場では60万円の車でも、
「通常では35万円の下取りですが、今回特別に40万円で下取ります!」
なんてことが普通に行われています。
ですので、車の買い替えであれば愛車の最新の査定相場は知っておくべきです。
そうしないと、平気で20万円以上も損をしてしまします。
でも、どのようにして知ることができるのか?
こちらのサイトを使えば調べることができます。
入力後、すぐに愛車の最新の査定相場がわかります。
同時に、複数の買取店から査定見積もりを取れるため、最高額で買ってくれるお店も分かります。
もちろん無料ですし、査定をしてもらったからといって必ず売却しなければいけない、というわけではありません。
買い替えを考えだしたら、必ず調べておきましょう。