中古車を購入する際には、車両本体以外にも費用が掛かります。
店頭やホームページの価格だけで「おっ!お買い得そうな車だな」と思っても、実際の見積書を見て「あれ?結構高くつくな」というケースは少なくありません。
中古車の購入を考えている方は、中古車にかかる「諸費用」の内訳と相場を把握しておきましょう。
数ある中古車販売店の中には、車両価格を安く設定してお客さんを呼び、「諸費用」で儲けているお店もあります。
この記事を読めば、諸費用の内訳と相場を理解できます。
この記事でわかること
中古車購入時の諸費用は「法定費用」と「代行・手数料」
中古車の購入時にかかる諸費用は「法定費用」と「代行費用」に分かれます。
中古車にかかる法定費用
法定費用とは、その名の通り法律で定められた費用です。どこのお店で買っても、法定費用に差はありません。
自動車重量税
自動車重量税は、車の車両重量に応じて課税される国税です。
車検の際に納税するものですので、車検が残っている中古車を購入する場合は「基本的には」必要ありません。
ただ、お店の中には車検が残っているにもかかわらず、自動車重量税を請求してくるところもあります。その車を買い取る時に、重量税の分を還元した、というのが主な理由ですが、このようなお店は避けたほうが賢明です。
車検切れの車の場合は、当然新たに車検を受けないと公道は走れませんので、この自動車重量税も発生します。
【自動車重量税一覧】
車両重量 | 2年(車検実施時) | ||||
---|---|---|---|---|---|
エコカー減免適用 | エコカー減免無し | ||||
エコカー (本則税率) |
エコカー以外 | ||||
免税 | 13年未満 | 13年経過 | 18年経過 | ||
~500kg以下 | 0 | 5,000 | 8,200 | 11,400 | 12,600 |
~1,000kg以下 | 0 | 10,000 | 16,400 | 22,800 | 25,200 |
~1,500kg以下 | 0 | 15,000 | 24,600 | 34,200 | 37,800 |
~2,000kg以下 | 0 | 20,000 | 32,800 | 45,600 | 50,400 |
~2,500kg以下 | 0 | 25,000 | 41,000 | 57,000 | 63,000 |
~3,000kg以下 | 0 | 30,000 | 49,200 | 68,400 | 75,600 |
エコカー減税適用車には、初回の継続車検(3年目)については減税が適用されます。
自賠責保険
自賠責保険は公道を走る車には加入が義務付けれれている「強制保険」です。
自動車重量税と同じく、車検の際に加入します。車検が残っていれば重量税と同様に支払いの必要はありません。
ただ、こちらもユーザーーが知らないことをいいことに、車検が残っていても請求してくるお店もあるので注意が必要です。
【自賠責保険料一覧 普通乗用車】
37ヶ月 | 36ヶ月 | 25ヶ月 | 24ヶ月 | 13ヶ月 | 12ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|
36,780 | 35,950 | 26,680 | 25,830 | 16,380 | 15,520 |
【自賠責保険料一覧 軽自動車】
37ヶ月 | 36ヶ月 | 25ヶ月 | 24ヶ月 | 13ヶ月 | 12ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|
35,610 | 34,820 | 25,880 | 25,070 | 15,960 | 15,130 |
自動車税
自動車税(軽自動車税)は毎年4月1日時点での車の所有者にかかる税金です。車両の排気量によって税額が決まっています。
年度の途中で車を取得した場合は、翌3月までの税金を月割した残月数を支払います。
自動車税 = 排気量ごとの税額 ÷ 12× 年度変わり(3月)までの残月数
自動車取得税
自動車取得税とは、新車であれ中古車であれ、車を取得したときにかかる税金です。
自動車の「取得価額」が50万円以下の場合は課税されません。
この取得価格というのが少しややこしいのですが、車種や仕様などにより設定された「自動車取得税の課税標準基準額および税額一覧表」にある「基準額」から割り出します。この基準額は目安として、車両本体価格の90%程度です。
税率は自家用自動車は原則として「取得価額」の3%、軽自動車は2%となっています。
自動車取得税は、消費税との重複課税とも言われ非難の声も上がっているので、消費税が10%に増税される際には「廃止」になる予定です。
消費税
車両本体はもちろんのこと、オプションや販売店の代行費用にも消費税はかかってきます。
リサイクル料金
リサイクル料金とは、車を正しく廃棄処分のための費用で、平成17年から施行されている“自動車リサイクル法”という法案によって決められています。
リサイクル料金は、車種によってことなりますが、
- 軽・小型車/7,000 円~16,000円程度
- 普通車/10,000円~20,000円前後程度
となっています。
中古車にかかる代行・手数料
ここからが本題「お店によって異なる諸費用」です。
車両登録代行費
購入する中古車を自分の名義にする為に行う名義変更費用、車検がない車は車検を取って名前を登録する登録費用です。
手続きが面倒なので、一般的にはディーラーや中古車販売店にお願いすることが多い手続きです。
よく、「自分で行えば無料になります」と書いてあるホームページも見かけますが、実際は販売店が手続きをお客さんに任せるケースはごく稀です。ディーラーではまずありえません。
理由は、車検のある車(軽自動車以外)の名義変更には、車検証の所有者(名義人)の印鑑証明と、実印を押した書類(委任状・譲渡書)が必要になります。
実印を押した書類と印鑑証明を、お客さんに渡すことはリスクがあるのでやりたくないのです。
この費用は無理に「タダにして、自分でやるから!」という強硬な値引き交渉のネタにはしないようにしましょう。
車両登録代行費の相場:大体3万円前後
車庫証明代行費
車庫証明の取得を代行してもらうときに必要な費用です。
車庫証明は個人でも取得可能で、管轄の警察署へ書類を提出するだけです。ただし、平日の昼間に2度出向く必要があります。
車庫証明代行費用の相場:1万円~2万円
納車費用
自宅まで購入した車をも行ってきてくれるサービスにかかる費用です。
これは自分で取りに行ってカットしてもらいましょう。この交渉でヘソを曲げる業者はいないはずです。
納車費用の相場:5千円~1万円
下取り費用
今まで乗っている車があり、その車を処分(廃車)やお店に下取りをしてもらう際にかかる費用です。
最近では請求するお店は少ないですが、もし見積書に書かれていたら要注意です。
車の下取りや廃車にはお金はかかりません。